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『アンモニア』はかなりヤバい③
多忙で気が付けばもう7月も16日...
今年は春から気温が安定せず、暑くなったり冷え込んだりでメダカの産卵も安定しませんでしたね。
ハウス養殖の方は安定しているのかも知れませんが、うちは半野外飼育のため気温の変化をもろに受けます。
さて梅雨空も終わりが近づき、メダカの飼育水に注意しなければならない季節となってきました。
この回ではアンモニアにどのような対応をすればメダカへの害が減らせるのかを取り上げたいと思います。
続きを読む
①pHが弱酸性~中性の時はアンモニウムイオンがアンモニアに変化しにくい。
②気温が低い時期はアンモニウムイオンがアンモニアに変化しにくい。
なので秋から春にかけては比較的水質が悪化しにくいというのが分かりました。
ではアンモニアによるメダカへの害をなくすにはどうしたらいいのかを整理すると。
①アンモニウムイオンを少しでも減らす
アンモニウムイオンがゼロであればアンモニアに還元されないので安心です。
このために観賞魚飼育の世界で一番行われているのは「換水」ではないでしょうか。
これは一番確実で効果的な方法です。
水を入れ替えるわけですから有毒だろうが有益だろうが全部入れ替わります。
有益なものまで捨ててしまうので飼育水的にはリセット状態です。
アンモニウムイオンは大気中にも大量に浮遊しているといわれているので雨と一緒に容器に降り注ぐことも考えられます。
こんな時は容器に雨除けの蓋をするのも有効でしょう。
雨の後にメダカが大量死するという話を聞いたことがありませんか?
もしかしたら、初期の雨粒には大量のアンモニウムイオンが含まれているとかあるのかもしれないと考えたことがあります。(未検証)
アンモニウムイオンの特徴として「土壌に吸着」しやすいというのがあり、この特性を利用したのが観賞魚の世界ではポピュラーな「ゼオライト」です。
特に立ち上げ初期の水槽にはゼオライトと活性炭を入れる方も多いと思いますが、これは初期の浄化能力が未熟なろ過装置に対して、有害物質を吸着させる目的で入れられています。
皆さんがよく使われる「赤玉土」にもそういった吸着力があるのかもしれません。
ただ、例外なくこの吸着能力には限界がありますのでその前に定期交換が必要です。
②アンモニアが発生してもそれを無害化できる環境を構築する
これは有機物、無機物の分解を担う硝化バクテリアの力を借ります。
といっても自然界のどこにでもいるバクテリアで、自分の好きな食べ物があれば勝手に増えるような存在です。
水槽の中にあるメダカの糞や死骸のような有機物から「アンモニア」に分解する「有機物分解バクテリア」
↓
アンモニアを「亜硝酸」に硝化する「アンモニア酸化バクテリア」
↓
亜硝酸を「硝酸」に硝化する「亜硝酸酸化バクテリア」
ざっとこのようなプロセスで、有害な「アンモニア」は毒性の少ない「硝酸塩」へ硝化され、最後には一部は水草に吸収されたり水面から出ていったりします。
文で書くと難しく感じられますが要は観賞魚の世界で「ろ過」と呼ばれているのはこの流れを言います。上面ろ過にせよ底面ろ過にせよ、この流れは変わりません。
しかしメダカ飼育でこれを実行するには大変な設備が必要となります。
ほとんどの方が複数個の容器で飼育してみえるのではないでしょうか。
何十何百とある容器の一つ一つにろ過を付け足すのは管理の上でも現実的ではありません。
では容器の水を一か所に集めて集中ろ過にするのはどうでしょうか?
「しあわせメダカ」では集中ろ過の方式を採用していますが、あくまで販売エリアの管理を楽にするために換水と併用して行っている簡易的な集中ろ過です。
容器に入っているメダカの数や水量によりろ過能力は増減させる必要がありますが、刻々と変わる在庫でろ過を変更していられません。
だから最後にはやはり「換水」頼りなのです。
結局、現実的に考えられる水の管理方法とはどれなのでしょうか?
①一番手軽に実行できるのは「過密飼育をしない」
40Lのたらいに10匹足らずのメダカであれば、換水なしでもそれなりの期間が生きられます。
メダカの世界では「1Lに1匹」という考え方がありますが、単に40Lのタライに水を張ってメダカを40匹入れて餌を与え続けたら2週間ともたずに体調を崩し始めるでしょう。
1L1匹というのは「好条件を保てれば」という話で、その条件が「まめに換水できれば」になる訳です。
②「セミビオトープ化」する
ビオトープとは足し水程度であとは自然の浄化力に任せて水生環境を維持するシステムですが、小さい容器でこれを再現するのは無理があるため、赤玉土や湿地性植物を入れることで、硝化バクテリアの活動を促すというものです。
しあわせメダカでも「睡蓮鉢」や水草販売エリアで一部実践していますが、簡易的なろ過システムと併用することで、メンテナンスフリーに近い環境を構築できています。
③「エアーレーション」する
硝化バクテリアはその活動に酸素を必要とする細菌なのでエアーレーションは有効です。
エアーレーションというのは泡によって水に酸素を溶け込ませると考えがちですが実際には泡による酸素供給など微々たるもので、大半は水面の波立ちによる酸素供給となります。
そしてエアーレーションすることにより水に対流ができ、水面の酸素を含んだ水が底へ向かうという期待があります。
硝化バクテリアの数は水中の溶存酸素量と餌になる無機物に比例するといわれていますので、春になってメダカが活動を始めたら1時間に15分とか間欠で弱いエアレーションをしてあげることに害はないと思います。
こうすればアンモニアなんて怖くない!という奇策は残念ながらありませんが、水質の急変を避けて害のない飼育環境を構築することはそれほど難しくありません。
タライやNVBOXで飼育といっても、置かれた環境は様々。
ぜひ自分に合った飼育方法を見つけ出してください。畳む
今年は春から気温が安定せず、暑くなったり冷え込んだりでメダカの産卵も安定しませんでしたね。
ハウス養殖の方は安定しているのかも知れませんが、うちは半野外飼育のため気温の変化をもろに受けます。
さて梅雨空も終わりが近づき、メダカの飼育水に注意しなければならない季節となってきました。
この回ではアンモニアにどのような対応をすればメダカへの害が減らせるのかを取り上げたいと思います。
続きを読む
①pHが弱酸性~中性の時はアンモニウムイオンがアンモニアに変化しにくい。
②気温が低い時期はアンモニウムイオンがアンモニアに変化しにくい。
なので秋から春にかけては比較的水質が悪化しにくいというのが分かりました。
ではアンモニアによるメダカへの害をなくすにはどうしたらいいのかを整理すると。
①アンモニウムイオンを少しでも減らす
アンモニウムイオンがゼロであればアンモニアに還元されないので安心です。
このために観賞魚飼育の世界で一番行われているのは「換水」ではないでしょうか。
これは一番確実で効果的な方法です。
水を入れ替えるわけですから有毒だろうが有益だろうが全部入れ替わります。
有益なものまで捨ててしまうので飼育水的にはリセット状態です。
アンモニウムイオンは大気中にも大量に浮遊しているといわれているので雨と一緒に容器に降り注ぐことも考えられます。
こんな時は容器に雨除けの蓋をするのも有効でしょう。
雨の後にメダカが大量死するという話を聞いたことがありませんか?
もしかしたら、初期の雨粒には大量のアンモニウムイオンが含まれているとかあるのかもしれないと考えたことがあります。(未検証)
アンモニウムイオンの特徴として「土壌に吸着」しやすいというのがあり、この特性を利用したのが観賞魚の世界ではポピュラーな「ゼオライト」です。
特に立ち上げ初期の水槽にはゼオライトと活性炭を入れる方も多いと思いますが、これは初期の浄化能力が未熟なろ過装置に対して、有害物質を吸着させる目的で入れられています。
皆さんがよく使われる「赤玉土」にもそういった吸着力があるのかもしれません。
ただ、例外なくこの吸着能力には限界がありますのでその前に定期交換が必要です。
②アンモニアが発生してもそれを無害化できる環境を構築する
これは有機物、無機物の分解を担う硝化バクテリアの力を借ります。
といっても自然界のどこにでもいるバクテリアで、自分の好きな食べ物があれば勝手に増えるような存在です。
水槽の中にあるメダカの糞や死骸のような有機物から「アンモニア」に分解する「有機物分解バクテリア」
↓
アンモニアを「亜硝酸」に硝化する「アンモニア酸化バクテリア」
↓
亜硝酸を「硝酸」に硝化する「亜硝酸酸化バクテリア」
ざっとこのようなプロセスで、有害な「アンモニア」は毒性の少ない「硝酸塩」へ硝化され、最後には一部は水草に吸収されたり水面から出ていったりします。
文で書くと難しく感じられますが要は観賞魚の世界で「ろ過」と呼ばれているのはこの流れを言います。上面ろ過にせよ底面ろ過にせよ、この流れは変わりません。
しかしメダカ飼育でこれを実行するには大変な設備が必要となります。
ほとんどの方が複数個の容器で飼育してみえるのではないでしょうか。
何十何百とある容器の一つ一つにろ過を付け足すのは管理の上でも現実的ではありません。
では容器の水を一か所に集めて集中ろ過にするのはどうでしょうか?
「しあわせメダカ」では集中ろ過の方式を採用していますが、あくまで販売エリアの管理を楽にするために換水と併用して行っている簡易的な集中ろ過です。
容器に入っているメダカの数や水量によりろ過能力は増減させる必要がありますが、刻々と変わる在庫でろ過を変更していられません。
だから最後にはやはり「換水」頼りなのです。
結局、現実的に考えられる水の管理方法とはどれなのでしょうか?
①一番手軽に実行できるのは「過密飼育をしない」
40Lのたらいに10匹足らずのメダカであれば、換水なしでもそれなりの期間が生きられます。
メダカの世界では「1Lに1匹」という考え方がありますが、単に40Lのタライに水を張ってメダカを40匹入れて餌を与え続けたら2週間ともたずに体調を崩し始めるでしょう。
1L1匹というのは「好条件を保てれば」という話で、その条件が「まめに換水できれば」になる訳です。
②「セミビオトープ化」する
ビオトープとは足し水程度であとは自然の浄化力に任せて水生環境を維持するシステムですが、小さい容器でこれを再現するのは無理があるため、赤玉土や湿地性植物を入れることで、硝化バクテリアの活動を促すというものです。
しあわせメダカでも「睡蓮鉢」や水草販売エリアで一部実践していますが、簡易的なろ過システムと併用することで、メンテナンスフリーに近い環境を構築できています。
③「エアーレーション」する
硝化バクテリアはその活動に酸素を必要とする細菌なのでエアーレーションは有効です。
エアーレーションというのは泡によって水に酸素を溶け込ませると考えがちですが実際には泡による酸素供給など微々たるもので、大半は水面の波立ちによる酸素供給となります。
そしてエアーレーションすることにより水に対流ができ、水面の酸素を含んだ水が底へ向かうという期待があります。
硝化バクテリアの数は水中の溶存酸素量と餌になる無機物に比例するといわれていますので、春になってメダカが活動を始めたら1時間に15分とか間欠で弱いエアレーションをしてあげることに害はないと思います。
こうすればアンモニアなんて怖くない!という奇策は残念ながらありませんが、水質の急変を避けて害のない飼育環境を構築することはそれほど難しくありません。
タライやNVBOXで飼育といっても、置かれた環境は様々。
ぜひ自分に合った飼育方法を見つけ出してください。畳む
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