2024年4月の投稿[5件]
2024年4月23日 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する
『アンモニア』はかなりヤバい②
ゴールデンウィークの準備でバタバタして久々のブログ投稿です。
前回のお話では「飼育水の中にあったらヤバいものはアンモニア」ということが分かったものの、アンモニアは目に見えないので厄介という話題でした。
その目に見えないアンモニアを試薬で検査し、目に見える色に変換するのですが、もし試薬の色が緑になって有害な物質が検出されたらどう考え、どう対処すれば良いのでしょうか。
続きを読む実は「セラ NH4/NH3 アンモニアテスト」試薬で検査しているのは「アンモニア(NH3)」ではなく無害な「アンモニウム(NH4)」という物質なんです。
そしてこの「アンモニウム(NH4)」は水のアルカリ性や酸性といった「pH(ピーエイチ)」によって毒性の高い「アンモニア(NH3)」に変化します。
具体的にはセラジャパンさんの製品に付属していた下の図を参考にしましょう。
原則として中性であるpH7.0以下ではアンモニウムはアンモニアに変化しにくいため、試薬でアンモニウムが検出されたとしても、即危険という訳ではありません。
ただし、タライで飼育している方の多くは夏場は水がグリーンウォーターになっていることと思います。
このグリーンウォーターのpHは9.0を超えることも珍しくありません。
そうすると、アンモニウム(NH4)の測定値がが0.5㎎/lであっても有害であることが分かります。
要するに「セラ NH4/NH3 アンモニアテスト」でアンモニウム濃度を知っただけでは不十分で、アンモニア濃度を知るには正確な「pH」も測定する必要があるという事です。
そして、ここで水温とアンモニアの関係を調べてみましょう。
下の図はUSEPAによって1987年に発表された総アンモニア濃度からphと水温を用いて遊離アンモニア濃度を求める一覧表です。
横軸がpH、縦軸が水温、値は%になります。
詳しくはアクアリウムWiki にある「アンモニア(あんもにあ) 」 の項を見ていただきたいのですが、要は水温が上がるほど、そしてpHが高いほど、毒性の高い「アンモニア」濃度が高くなるということです。
例えば、同じpH7.0でも水温10度の冬(0.19%)と、水温30度の夏(0.8%)では、単純にアンモニアの濃度は4倍強になってしまいます。
詳しいお話はアクアリウムWikiを読んでいただければわかるので割愛しますが、メダカの飼育環境に当てはめれば、
「水温が高くグリーンウォーター(アルカリ性)になりやすい夏場は、冬場に比べて同じ飼育水であってもアンモニア濃度が何倍も高くなる可能性がある」ということです。
これらのデータから暑い季節になるほど飼育水の管理には気をつかう必要があると言えます。
そして高水温下では水の中に溶け込む酸素量が少なくなります。
アンモニアの何が害かというと、アンモニア濃度が高くなると「アンモニア中毒」に陥り、メダカの神経系やエラに強いダメージを与え、血中の酸素濃度が下がったり、平衡感覚がやられると言われています。
アンモニア濃度の高い飼育水で、溶存酸素量が少ない環境を人間に置き換えれば「無酸素でエベレストを登りながら毒を飲まされている状態」とでも言いましょうか。
そんな環境、メダカでなくても死んでしまいます。
では、こんな飼育水になってしまわないようにどうしたら良いのか。
長くなりましたのでそのへんはまた次回で。
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2024年4月13日 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する
メダカの飼育水の中にあったらヤバいものって何でしょうか?
ヤゴ、どれだけ悪さをするか未知数だけど数匹ならそんなに害ではないような。
サカマキガイ、好きじゃないけどこれは容器の掃除もしれくれるからヤバくはないですね。
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ゴミとか糞とか目に見えるものはその都度取り除けばいい訳で、それほどヤバくはないかもしれません。
ヤバいのは断トツで「アンモニア」です。
人間で言えば毒ガスレベル。
濃度次第では短時間でメダカは死に至ります。
そして問題は目に見えないから知らないうちに増えたりしている事。
澄んだ水だろうがグリーンウォーターだろうが、見た目に関係なくアンモニアは溶け込んでいます。
アンモニアが生体に及ぼす害は、濃度が高くなると「アンモニア中毒」に陥り、メダカの神経系やエラに強いダメージを与え、血中の酸素濃度が下がったり、平衡感覚がやられると言われています。
ならばどうすれば良いのかというと、薬で測定して水の状態を把握するしかありません。
うちで使っているのは「セラ NH4/NH3 アンモニアテスト」という検査キット。
3,000円前後するので少々お高いですが1キットで60回測れますので、1回50円ほど。
可愛いメダカが落ちることを考えたら安いものです。
※画像は計測結果を色で判断しているところです。黄色は安全な数値であることを指しています。
メダカで濾過装置を使う方は少数派だと思いますが、熱帯魚の世界では立ち上げて間がない水槽の濾過装置が機能しているかどうかの目安にも使われています。
濾過装置が正常に働き始めると、アンモニアは濾材に定着した「硝化菌」という菌によって毒性がやや少ない「亜硝酸塩」という物質に変換され、最終的に毒性の少ない「硝酸塩」に変換されます。
亜硝酸塩はアンモニアに比べて毒性は下がりますが、水中に多すぎるとメダカの害になるので主に「アンモニア」と「亜硝酸塩」の状態を把握しておくのが大切です。
メダカの入った容器の中でも水中にいる硝化菌によって生物濾過が行われ、アンモニアは亜硝酸塩に、亜硝酸塩は硝酸塩に変換されますが、飼育水の量とメダカの数がアンバランスであったり、与える餌の量が多すぎたりするとアンモニアや亜硝酸塩の濃度が高くなり危険な状態になります。
そして飼育水のアンモニアによる影響は「水温」と「pH」、「溶存酸素」の関係で大きく変化するんです。
長くなりましたのでそのへんは次回で。
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2024年4月7日 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する
こんにちは、しあわせめだか店主です。
メダカを飼育している方で屋外や軒下で飼育している方は多いと思います。
冬の間は寒い上にメダカもあまり姿を見せないため、飼い主としてはあまり触る気も起らず、メダカと一緒に春の到来を心待ちにしていたのではないでしょうか?
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そしていざ暖かい休日が来ると、メダカシーズン到来とばかりに容器を掃除して水替えし、寄ってくるメダカ達に愛情をたっぷり注ぎ込む。
でもちょっと待ってください❗😨
人間は体温がある温血動物なので暑さや寒さにスピーディに対応できますが、メダカの場合はそうもいきません。
朝晩冷えれば体内外の代謝は再び急激に減少します。
メダカは環境の変化に対する適応力の高い魚ですが、それは環境が「四季のように緩やかに変化していった場合」の話。
ある日突然水質が激変したりすることに対しては実はそれほど強くありません。
それでも夏場のように水温が上がるシーズンでは、水を全換水しても体の機能が活発なため適応できますが、暖かくなり始めた矢先ではそれがダメージとして表れやすくなります。
「春先に急にメダカが落ちてしまった」「水カビにやられた」等は、実は人間の思い付きで容器を大掃除してしまい、メダカがダメージを受けていたことが原因だったりすることも。
人間にとっては待ちに待ったメダカシーズン到来でも、メダカにとってはやっと過酷な冬が終わり、ここからコンディションを上げていこうという段階なのかもしれません。
春先のメダカ容器のメンテナンスは、段階を踏みながら徐々に進めていくと、メダカへのダメージが少なく産卵への橋渡しもスムースに出来るかもしれませんね👶
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2024年4月3日 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する
うちはグリーンウォーターを積極的に導入していません。
ただしそれはグリーンウォーター自体がダメという理由ではなく、自分が楽しむために緑の水では楽しくなかったという理由が始まりでした。
続きを読むまた、底が見えにくい故にメダカが死んでいるのに気づかず、タライの水質を悪化させ何度も全滅させてしまった苦い経験もありました😰
自分はメダカ屋でもあり無類のメダカ好きでもあるので、第一に自分が見て楽しめる店にしたいと考えて今の店舗を作りました。
ビオトープのように自然を感じる天然ジオラマでメダカを楽しめたら最高だなと思いながら本業の傍ら店造りに勤しんでいます。
飼育に用いている水は朝明川のすぐ近くなので、打ち抜き井戸でも数m掘れば水が出ると思うのですが、お買い求めいただいた方の大半は水道水で飼育されるのではないかと思いますし、水質が一年中安定していて清潔という理由からも、水道水で繁殖と飼育を行っています。
【しあわせメダカの飼育水データ】
・全容器で上水道を使用し、換水は下水道へ排水
・屋外容器で原則加温なし
・pH:シーズンにより7.5~9.0程度
(夏場は藻類の影響で高くなります)
・亜硝酸塩:ほぼ0ppm
・硝酸塩:30ppm以下
・アンモニア:未検出
※pHとアンモニア以外は6in1試験紙で週数回測定
※アンモニアはセラ NH4/NH3試薬で適宜測定
※pHはテトラトロピカル試薬にて週1測定
※残留塩素は週1測定
ネットで検索してもグリーンウォーター飼育に関する解説が沢山出てきますし良い面も沢山あると思うのですが、これが自分の趣味であると考えた時、メダカも飼い主も「しあわせ」を感じられる環境こそが正解なのかなと思って今の飼育法を続けています。畳む
2024年4月1日 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する
メダカは品種によって回数は変わりますが、稚魚から成長期にかけて数回の選別という作業を行います。
選別とはまず骨格とか体格に異常がないかから始まり、その品種の特徴がちゃんと発現してきているかというところを重点に見るんですが、続きを読む品種により骨が曲がる「背曲がり」というのが出やすく、曲がりは遺伝しやすいので特に注意して見ます。
他に口に異常が出やすい品種などもあります。
難しいのが三色に代表される色柄の美しさを問われる品種で、これは個人的な好みが大きく出るので、そういった審美眼を養うのも大切なのかもしれません。
この数回の選別作業を経て、品種名で売って良いメダカと「ミックスメダカ」として販売するメダカをふるいにかけます。
では最後に背中が曲がったり骨格に異常のあるメダカはどうなるのでしょう?
許容内の軽微なものでしたらミックスに入れることも出来ますが、パッと見で異常が分かるほどの個体はミックスメダカ水槽に入ることも出来ません。
そんな子はどうなってしまうのかというと...
実は体の悪い子専用の容器があって、そこで終生穏やかに暮らしています。
うまく泳げないような体格異常があるメダカ達は、健康なメダカと一緒だと餌をうまく食べられなかったりもするので、こうするのが一番じゃないかなと思っています。
こんな悠長なことは、ウチみたいに小粒なメダカ屋じゃないと難しいかもしれませんが、どんなメダカでも生まれてきた命。
最後までちゃんと飼ってます。畳む
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