卵からメダカを育ててみたいという方向けに、5月頃~9月下旬頃までのシーズン限定で販売しております。
アソート販売につきましては品種のご指定は承れませんが、いろいろな品種が入るように考えて入れています。
夏場は採卵から短期間で孵化が始まりますので、基本的にはご来店日をご指定いただく予約販売のみとさせていただいております。
【メダカの卵について】
弊店の改良メダカの親魚から採卵した卵となります。
すべて細胞分裂が進み受精が確認できた有精卵です。
採卵日はできるだけ同じ日に採卵したものを入れますが、品種が偏らないように日をまたいで採卵した卵を入れる場合もあります。
いずれにしても数日の違いで孵化と成長に影響が出る事はありません。
【孵化までの流れ】
有精卵はカビ防止のため、少量の「メチレンブルー溶液」という楽品を添加した青い水に入れ、蓋つきの透明容器に入れてお渡ししますので、そのまま孵化までを観察できます。
色素なので卵が青く染まることもありますが中のメダカの赤ちゃんには影響ありません。
置いておくのは室内でも構いませんが、極端に暑くなったり寒くなったりする部屋は避け、明るい窓際に置くとカビが多少防げます。
水が傷むことで卵にカビが発生しやすくなりますので毎日半量以上の水を水道水で交換します。
孵化までは水道水そのままで問題ありませんが、水温が極端に違うと悪影響があるため、しばらく同じ場所に置いてならした水が良いと思います。
卵の中に黒い点が見えたらそれがメダカの眼球となります。
この時に白く濁って中の見えない卵はほとんどの場合死んでいますので取り除きます。
発眼したら孵化までもうすぐですので、餌となるゾウリムシ等の準備をします。
【孵化後】
卵は成長に合わせて順次孵化していきます。
産まれたばかりのメダカの赤ちゃんは針の先のように細いことから「針子」と呼びます。
しばらく水替えの必要はありませんが、もし換水する場合はカルキの入っていない水で慎重に行うようにしましょう。
産まれてすぐはお腹のあたりに「ヨークサック」という栄養袋を持っているので、3日ほどは餌を食べなくても生きていけます。
この間にしっかりとした口が形成され、小さなゾウリムシが食べられるようになります。
【針子の育て方】
最初の針子の孵化から3日目にはゾウリムシ等の針子の口のサイズに合った餌を与えます。
この時期はまだ口が小さくミジンコは食べられません。
ゾウリムシの場合は容器の中でしばらく生き続けますので、朝夕2回の給餌でも飢えることはありませんが、出来れば朝昼夕の3回与えた方が生存率は高くなります。
パウダー状の針子用人工飼料だけで育てるのも、生存率は多少下がるかもしれませんが可能です。
ゾウリムシを与える場合は水質の悪化に注意してください。
水が傷むと針子が生きられなくなりますので、餌の与え過ぎには注意しましょう。
もし水を換える場合は針子を吸い込んで捨ててしまわないように注意します。
【稚魚になったら】
10mmほどの稚魚になったら体力が出てきますので頻繁に餌を与える必要はありません。
よく観察していると、容器の中に沸いた微生物や苔類を突いて食べている姿が見られると思います。
水温が20℃を超えている様なら日に2~3回の給餌を、下がりはじめたら徐々に量を減らしたり日に1回程度のペースにするなど様子を見ながら餌を与えます。
幼魚サイズになるとミジンコも追いかけて食べられるようになります。
ミジンコは栄養価もありメダカの嗜好性も強い餌ですが、もしミジンコの入手が難しいなら人工飼料でもメダカに必要な栄養素が豊富に含まれていますので十分大きく育ちます。
問題はどれだけ積極的に食べるかです。
ミジンコになれたメダカは動くものを餌として追いかけるようになるため、人工飼料にあまり興味を示さなくなることもあります。
【メダカについて】
メダカは古来より日本に住んでいた在来種ですので、冬の屋外でも飼育可能な江戸時代より愛されているペットです。
自然界での寿命は1~2年と言われていますが、飼育下では外敵も少なく栄養状態が良いため3年以上生きるメダカもいます。
とても丈夫な魚ですが、体調を崩したり病気になることもありますので日々の健康状態を観察するように心がけましょう。
【飼育水について】
メダカにとっての水は人間にとっての空気と同じです。
適切な量の酸素を含み、害になるものは取り除く必要があります。
飼育水は水道水で問題ありませんが、蛇口から出てすぐの水には魚にとって有害な「塩素」が含まれていますので、市販の「カルキ抜き」などで中和しておきましょう。
【換水について】
メダカが餌を食べて糞をすることにより水に汚れが蓄積されていきます。
この汚れを取り除くには水替えしかありません。
水替えの間隔は飼育環境や水量、飼育数にもよるため一概に言えませんが、週1回 3分の1を交換するなど汚れがひどくなる前に定期的に換水するように習慣づけましょう。
特に水温が高くなる季節は水の汚れがひどくなりやすいため、水の状態に気を付ける必要があります。
【餌について】
餌は市販のメダカ用の餌で構いません。
「稚魚」「幼魚」「成魚」で口のサイズが変わるため、食べられる粒サイズの餌を与える必要があります。
給餌の回数は、水温が20℃を超える暖かい季節になったら2回、15℃前後になったら1回、数分で食べ尽くす程度で与えると良いと思います。
人の姿を見ても寄ってこなくなるくらいに水温が下がってきたら、様子を見ながら餌をストップしていきます。
飼育容器の中にはメダカの食糧にもなる苔類や微生物が発生しているため、旅行で餌を与えられない日が数日あっても餓死の心配はありません。